「開発」というと、VBAを使ったマクロ作成の話だと思うかもしれないが、ここでいう開発はそうではない。「Excelを使って何らかの成果物を得る仕組みを作ること」を、ここでは開発と呼ぶ。VBAだけでなく、セルに関数式を入力して何らかの表を作ることも開発に含まれる。

Excelでやるべきか

 「鉄則1 Excelを知る」でも触れたが、開発においてもまず、そもそも「Excelでやるべきか」を検討することが重要だ(図1)。Excelはあくまで業務を補完するツールであり、規模の大小もあるが、個人で作るような仕組みを基幹と呼ばれる領域まで組み込むことはお勧めしない。

●そもそも「Excelでやるべきか」を考える
●そもそも「Excelでやるべきか」を考える
図1 ある業務を行う場合、そもそもExcelを使うべきかをまず考えよう。Excelは、何でもできる魔法の道具ではない。Excelを使う方がよいと判断できたら、機能・関数・VBAの3要素をフル活用しよう
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 VBAを使い、それがExcelだと分からないほどの開発をするケースもあるが、Excelはあくまで表計算ソフトである。機能・関数・VBAの3要素をバランス良く利用する“エンドユーザー側の道具”という立ち位置を崩すべきではないだろう。

 つまり、「Excelでできるか、できないか」ではなく、「Excelでやるべきか、やらないべきか」を考えて、業務での利用を判断したい。そうすれば、時間、コストを最小限に抑えながら、実務で最大の効果を得られるようになるだろう。