道具であるExcelを知ることは、基本中の基本だ。誤解してはいけないのは、Excelは「表計算ソフト」であるということ。何でもできる“魔法のつえ”ではない。

 Excelが使えるようになると、何でもExcelでやろうとする人がいるが、実務においてはまず、「Excelでやるべきか」という点を考える必要がある。Excelを書類作成に使っても構わないが、それはExcelを使うことがベストだと考えられる場合。Excelでやることが目的になってはいけない。Excelは便利な道具だが、表計算ソフトの範囲を超えた使い方は、弊害をもたらすこともある。

 同じことが、Excelの中でもいえる。Excelは「機能」「関数」「VBA」という3つの要素で構成されている(図1)。Excelを使いこなしている人の中には、「私は関数は苦手だが、VBAは得意だ」という人もいるだろう。しかしだからといって、VBAで全てをやろうという考え方は間違っている。

●Excelは3つの要素で構成されている
●Excelは3つの要素で構成されている
図1 Excelは「機能」「関数」「VBA」の3要素から成る
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 機能と関数とVBAは、決して独立しているものではない。それぞれに使うべき場面があり、むしろ補完し合うものなのだ(図2)。

図2 3つの要素は並列の関係にある。VBAが上級という考え方は誤り。3要素を組み合わせて使うのがポイントだ
図2 3つの要素は並列の関係にある。VBAが上級という考え方は誤り。3要素を組み合わせて使うのがポイントだ
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