ステルスマーケティング、通称「ステマ」について知り、マーケティングやビジネスに生かすための当連載。今回は、さらに深くステマについて理解するために、ステマによくある典型的なパターンについて見ていこう。これを見て、ステマを見分けられるようにしていただきたい。
典型的なステマのパターンを知ろう
インターネット上のステマのパターンはいくつかに分けられるが、どの場合も、評判を実際よりも良いものと誤認させ、そのサイトからの誘導・販売促進・来店促進を期待して行われる点は共通している。
「ブログマーケティングタイプ」のステマは、企業側が一般消費者に成りすましてクチコミや記事を書くパターンと、芸能人を含めたブロガーなどに宣伝記事を書いてもらうパターンがある。Twitterなどを使った「ソーシャルメディア(SNS)マーケティングタイプ」も多く行われている。
AmazonやApp Store、楽天市場などに高い点数を多くつけさせてランキングやレビューの平均点数を上げる「ランキングタイプ」のステマもある。ランキングやレビューの平均点が高いほうが売り上げにつながるためだ。食べログや@cosmeなどの口コミサイトに良いレビューをつける「クチコミサイトタイプ」もほぼ同様だ。
自社に都合のよい回答をQ&Aサイトなどに書き込んだり、Wikipediaを都合よく編集したり、NAVERまとめなどで都合のよいまとめを作るなどの例も見られる。2ちゃんねるや2ちゃんねるのまとめサイトなどを利用して、競合商品などのネガティブキャンペーンをする例もある。
そのほか、前回取り上げたような、一般メディアでも広告と明記せずに広告記事を書くネイティブ広告もステマに含まれる。
ブログ・SNSステマ──見分けるには「検索」を活用
ここからは、それぞれのステマの典型的なパターンについてご紹介しよう。なお、ステマが関係した実際の事件については、次回以降また回を改めて取り上げる。
芸能人・タレントによるステマのブログマーケティング例は多い。例えば、あるタレントブロガーは同じ商品を取り上げた投稿を頻繁に繰り返している。しかし、毎回まったく同じ使いかけの商品写真を投稿しているため、実際に継続的に利用しているのではなく、ステマと考えられるのだ。
別のあるタレントは、他のタレントと同じ商品についてブログで紹介しているが、その内容には疑問が残る。扱っている商品が同じなだけでなく、文章表現、記事の構成、リンク先、記事中で紹介している他の商品まで同じだったのだ。おそらく、企業側にもらった商品の紹介資料が同じだったためと推察される。
同じ商品について同時期に複数のタレントが一斉にブログで取り上げる例もある。ある商品などは、テレビCMなどもやっていないそれほどメジャーな商品でもないのに、30〜40人のタレントが一斉にブログで記事に取り上げるのは不自然な状況だ。