前回記事『12年前に書いた記事を検証する』に引き続き、12年前に書いてITproで公開したものの、すぐ消してしまった短文を再公開する。

 すぐ消した理由は新規の短文を投稿する際、前の短文に上書きしていたからである。毎朝、投稿画面から直接書き込んでいたが、多少長めの文を書きたくなった時にはワードプロセサソフトを使い、いったんパソコンに保存していた。2002年に書き、パソコンに残していた短文を以下に並べてみる。

2002年11月19日

 本日も更新が遅れた。それでも本日の更新は筆者にとっては画期的なものである。なぜなら持ち歩いているノートパソコンから直接このページを更新したからだ。

 今まで携帯電話やノートパソコンを使うことを拒否してきたが、ついに諦めてノートパソコンを持つことにした。本ページを毎日更新するにあたって事務所にいちいち戻るのが面倒だからである。

 とはいえ正確にいうと、この原稿はいつも通り会社で書いた。それをわざわざモバイル・ネットワーク経由で書き込んだ。本来は会社の外で書き込むつもりだったが、なぜかうまく接続できず、会社に戻って専門家にやり方を聞いたのである。

 なお、破綻していた本を作るプロジェクトは昨晩なんとか終了した。後はカットオーバー(出版)のときにバグがでないことを祈るばかりである。

2002年12月10日

 本日10日は久々に元気が出る話を聞いた。急成長中のある企業の副社長が同社の経営戦略と情報化戦略を語る場にたまたま参加できたのである。

 この企業はいささか古い体質の業界に、それまでなかった商売のやり方を持ち込み、短期間で上場を果たした。しかも成功に甘んずることなく、わずか数年でビジネスモデルを大幅に見直している。

 高速の経営を実践していると当然、情報システムにしわ寄せがいく。副社長の情報化に関する方針は過激だが明快であった。

 「あれこれ考えるよりシステムを作ってしまおうと言っている。投資額はキャッシュフローの範囲ならいい。失敗したらまた作ればよい」。