2016年はLinuxやOSS(オープンソースソフトウエア)の存在感がますます大きくなりそうだ。企業システムのインフラにおいては「OpenStack」や「Docker」などの基盤ソフトやツールが注目を浴び、OSSは技術の最先端を切り開く存在となっている。また、個人利用や教育の分野でも「Raspberry Pi」が幅広く普及し、勢いをさらに増している状況だ。

OpenStackの利用がさらに拡大

写真1●OpenStack Summit Tokyoの基調講演会場の様子
写真1●OpenStack Summit Tokyoの基調講演会場の様子
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 OpenStackは仮想マシンやストレージといったクラウド上のリソースを効率良く管理する、オープンソースのクラウド基盤構築ソフトだ。国内での導入事例はヤフージャパンやグリーといった大手ネットユーザーや、パブリッククラウドサービスを提供するデータセンター事業者などにとどまっていた。しかし、2015年10月に開催されたOpenStack Summit Tokyo写真1)では飲料メーカーのキリンの導入事例が紹介されるなど、エンタープライズ系ユーザーの利用も増えだした。2016年にはこうした動きが加速していくことだろう。

 「OpenStackは評価期から導入期に移った」――2015年11月にレッドハットの代表取締役社長に就任した、望月 弘一氏の言葉だ。「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」の新規導入案件は増加しており、官公庁や製造業などの導入実績が伸びているという。