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FinTechの旗手たち

「日本は金持ち老人、技術で金融を民主化」、お金のデザインの谷家取締役会長に聞く

岡部 一詩=日経コンピュータ 2015/12/18 日経コンピュータ

 「Silicon Valley is coming(シリコンバレーがやってくる)」――。米JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEO(最高経営責任者)は2015年4月に送付した「株主への手紙」のなかで、スタートアップ企業が提供する金融サービスへの危機感を露わにした。米国の大手金融機関のトップの言葉は、テクノロジー発の新しい金融サービスFinTechの影響力を物語る。

 FinTechの波は日本にも押し寄せている。金融関連サービスに参入するスタートアップ企業が次々と誕生し、大量の顧客を抱えるサービスも出てきた。今まで静観を保ってきたように見えた銀行も一斉に動き出している。共栄と対立の構図が混じり合うFinTechをキーマンはいかに見ているのか。お金のデザインの谷家衛 取締役会長ファウンダーに聞いた。

(聞き手は岡部 一詩=日経コンピュータ


お金のデザインの谷家衛 取締役会長ファウンダー
東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズに入社し、アジア最年少のマネジングディレクターに就任し、アジア投資部門を統括。独立系ヘッジファンド大手、あすかアセットマネジメントを作った後、日本初の独立系オンライン生保のライフネット生命保険を立ち上げる。日本初のインターナショナルボーディングスクール(ISAK)を着想し発起人代表を務める。2013年8月、お金のデザインを設立。(写真:陶山 勉)
[画像のクリックで拡大表示]

 海外への投資を増やす――。日本にとって最大の成長戦略はこれだと私は考えています。

 今の日本を一言で表現すると「お金持ちの老人」。1人当たりのGDP(国内総生産)は世界27位まで下がり、人口減少も進む。このままでは国としての生産力は落ちていくのは間違いない。

 ただし対外純資産は世界1位。個人金融資産も世界2位とお金はあるんです。人口が増え経済成長する国や地域に対して、日本の資産を振り向けることが一番いいやり方です。

 多くの人々に海外投資の機会を提供するため、当社はロボ・アドバイザーという仕組みを取り入れています。今までファンドマネジャーなどが担ってきた資産配分業務を、独自に構築した運用モデルに従ってアルゴリズム(計算手法)で実行するのです。個人でも利用しやすい資産運用サービスをお届けします。

 ロボ・アドバイザーは米国で生まれ、非常に市場が伸びています。ただ米国で流行したから創業したわけではありません。長年やりたかったことを実現するのに、ロボ・アドバイザーという手段がぴったりマッチしていたのです。

 金融の世界は供給者の論理が支配している部分が多い。消費者にとって使いやすく価値あるサービスを作るよりも、金融機関の収益が第一優先になってしまっている。これは日本も欧米も変わりません。

 それでもテクノロジーによって、金融の世界でも民主化が進んできました。私はライフネット生命保険の立ち上げを、出口さん(同社、出口治明会長)や岩瀬さん(同社、岩瀬大輔社長)と一緒に手掛けました。民主化が進んだ例の一つがネット保険でしょう。

 一方、民主化の波が及んでいない最大かつ最後の分野が投資。いつかはやりたいと思い、時機をうかがってきました。

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