「LINEで会員にメッセージを送ると、瞬間的にサーバーへのアクセスが上昇する。LINEへの反応はメールとは大きく異なり、対策に迫られた」。資生堂が展開する総合美容Webサービス「ワタシプラス」のシステムを担当する熊谷健二氏(ダイレクトマーケティング部グループマネージャー、写真)は、こう説明する。

写真●資生堂ジャパン ダイレクトマーケティング部 グループマネージャーの熊谷健二氏
写真●資生堂ジャパン ダイレクトマーケティング部 グループマネージャーの熊谷健二氏

 同社は2012年にワタシプラスのWebサイトを立ち上げた。当初、キャンペーンなどの会員施策はメールが中心だった。その後LINEが広く普及し、2013年ごろからはLINEを使った施策に力を入れてきた。すると、サーバーへの負荷のかかり方がそれまでとは大きく変わるようになった。

 メールだと顧客の反応は緩やかで、サーバーへのアクセスは徐々に上昇していた。ところがLINEだと、同社からメッセージを発信したと同時にいきなりサーバーへのアクセスが急増する。インフラ側での対応が必要となったが、当時は自社のデータセンターにサーバーを所有するオンプレミス環境だったため、一時的なアクセス増のためにサーバー台数を増やすことは難しかった。