では具体的に今回の会場Wi-Fiをどう構築したか、ポイントをピックアップして説明しましょう。図6は会場の全体図に主に屋外に設置したアクセスポイント(AP)のカバーエリアを示しています。APの台数は全部で120台を屋内外に設置しました。接続2万デバイスに対してと考えるととても少ないですが、運用も5人くらいだったので、削りに削り込む必要がありました。

図6●250haの敷地を合計約120台のアクセスポイントでカバー
図6●250haの敷地を合計約120台のアクセスポイントでカバー
23WSJの会場となったきらら浜のほぼ全域250haの敷地を、屋内・屋外合わせて約120台のアクセスポイント(AP)でカバーした、図内の赤色の点線で囲った円は屋外設置の各APのカバー範囲を示す。屋外は機材やアンテナの選択肢が豊富なIEEE 802.11n機器を中心に配置。敷地中央部の大型テントなどの屋内は、性能優先でIEEE 802.11ac機器を採用した。インターネット回線の引き込みなど基幹設備は常設設備のきららドーム内に設置した。
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 通信方式は屋外はIEEE 802.11nを主軸に、テント内は11acも使いました。acは外的環境に速度が影響されやすいので屋外に向かないのと、アンテナなどの選択肢が現状では少ないという問題があったからです。自分のテントでつながらなくても、エリア中央の大型テントに行けば使える。より帯域が必要なら有線LANもあるという風にしたわけです。