前回から、世界最大のJavaのカンファレンスであるJavaOneのレポートをお送りしております。前回はキーノートセッションをまとめました。今回、次回はカンファレンスセッションについてレポートします。
2015年のJavaOneで最も注目されたセッションがProject Jigsawに関するセッションです。それはセッション数にも表れています。去年までは、セッションが1つしかない状態だったのですが、今年は急に増加して、以下に示したように5セッションもありました。
- Prepare for JDK 9
- Introduction to Modular Development
- Advanced Modular Development
- Jigsaw: Under the Hood
- Jigsaw Hack Session
筆者はこの5セッションを全て聴講しましたので、今回はこれらのセッションをまとめてレポートします。
次回はProject Jigsaw以外のセッションに関してレポートする予定です。
Project Jigsawの主要人物
Project Jigsawについて紹介する前に、Project Jigsawの主要人物を紹介しましょう。筆者がJavaOneに参加する意味の1つに、担当している人物を確認するというのがあります。
今年のJavaOneでProject Jigsawのセッションを担当していたのは、3人です。
まずは、Mark Reinhold氏(写真1)。いうまでもなく、Java SEのチーフアーキテクトです。Java SEに限らず、Javaに関わる人物の中でも最重要人物です。彼がいるからこそ、Javaが続いているといっても過言ではありません。
Reinhold氏はJ2SE 1.4で導入されたNIO(JSR 51)のスペックリードであり、J2SE 5からJava SEのチーフアーキテクトを続けています。Project Jigsawでもスペックリードを努めています。
次に紹介するのがAlan Bateman氏です(写真2)。Project Jigsaw発足当初からのメンバーで、2014年まではReinhold氏とBateman氏がProject Jigsawのセッションを担当していました。Bateman氏はNIO.2(JSR 203)のスペックリードであり、ずっとReinhold氏の片腕的な存在でありました。
最後がAlex Buckley氏です(写真3)。Buckley氏も古くからJava SEの開発に携わっており、アノテーション(JSR 175)などのスペックリードを努めてきました。Buckley氏は2014年まではProject Jigsawのセッションを担当していなかったのですが、Project Jigsawとは浅からぬ因縁があります。といのも、Project Jigsaw以前に行われていたモジュール(当時はスーパーパッケージと呼ばれていました)を策定するJSR 294のスペックリードだったのです。