Java関連の最新情報やノウハウを紹介する連載を始めました。著者は、Javaプログラマー向け情報サイト「Java in the Box」で有名な櫻庭祐一氏です。第1回は10月に開催されたJava関連の一大イベント「JavaOne 2015」のキーノートレポートです。

 2015年10月24日から5日間に渡って、米国サンフランシスコ市にて世界最大のJavaのカンファレンスである「JavaOne(JavaOne 2015)」が開催されました。

 今年もキーノートに加え、400以上のセッションが行われ、世界中から多くの開発者が参加しました。今年はJava SEやJava EEのバージョンアップがないため、大きな話題はなく、落ち着いたJavaOneでした。それでも、2016年にリリースされる予定の「Java SE 9」に関するセッションや、Java SE 8のProject Lambdaに関するセッションはすぐに満員になってしまい、参加者の関心を引いていました。

 例年、JavaOneのキーノートは「ストラテジーキーノート」「テクニカルキーノート」「コミュニティキーノート」の3本立てだったのですが、今年はストラテジーキーノートとテクニカルキーノートをまとめて「Javaキーノート」となっています。初日にJavaキーノート、最終日にコミュニティキーノートというのは、例年通りです。

 現地の様子を3回に渡ってお届けします。今回はキーノートについて、次回、次々回はセッションについてレポートします。

Javaキーノート

 例年、JavaOneではストラテジーキーノートで今後の方向性など、テクニカルキーノートで技術的な内容を説明してきました。そして、それぞれのキーノートでJava EE、Java SEを同じぐらいの時間を使って紹介してきました。

 ところが、今年はストラテジーキーノートに相当するようなパートはとても少なく、ほとんどテクニカルキーノートに相当するキーノートでした。また、中心となっていたのはJava SEだけで、Java EEはほんの少しだけ。それも、Java EEについての新しい技術などの紹介はありませんでした。

 JavaキーノートはSharat Chander氏の登場で幕を開けました(写真1)。

写真1●Sharat Chander氏
写真1●Sharat Chander氏
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 Chander氏がまず紹介したのは多くの写真を用いて大きなイメージを構成するmy-matrix.orgです。個々の写真は、事前にJavaのコミュニティに対してJavaに関連する写真を募集していたものです。筆者もこの募集に対して写真を提供しているので、イメージのどこかに使われているはずです。