これまで、本連載ではJShellを単独で使用する方法について紹介してきました。

 もちろん単独で使っても、JShellは役に立ちます。しかし、IDEと組み合わせると、さらに役に立つツールになります。

 例えば、開発の途中で作成しているクラスをちょっと試してみるとか、アプリケーションで使用するライブラリーを試しに使ってみるなどの用途があるはずです。

 もちろん、JShell単独でも、上記のような使い方ができます。しかし、そのためにビルドをしたり、クラスパスもしくはモジュールパスを指定しなくてはいけないなど、試すためのハードルが上がってしまいがちです。

 IDEにJShellが組み込まれていれば、このような煩雑な手順も不要になり、すぐに使えるようになります。本記事では、JShellに対応しているIDEとして、NetBeansを試してみることにします。

NetBeansでJShell

 NetBeansでJShellを使用するには、以下の2つの方法があります。

  • NetBeans 8.2にJShellプラグインをインストールする
  • NetBeans 9のNightly Buildを使用する

 NetBeans 9では、標準でJShellをサポートする予定です。しかし、原稿執筆時点(2017年3月)では、モジュールに対応していないプロジェクトではJShellを使用できないなど問題が多くあります。

 そこで、本記事ではNetBeans 8.2にJShellのプラグインをインストールする方法について紹介します。ただし、NetBeans 8.2のJShellプラグインも、原稿執筆時点では品質があまり高くありません。例えば、Windowsでは日本語が文字化けしてしまいます。このため、本記事ではLinuxで実行した例を示します。

 なお、NetBeans 9のNightly Buildは以下のサイトからダウンロードできます。

 また、JShellを動作させるには、NetBeansをJava SE 9で動作させる必要があります。JShellの使用方法はNetBeans 8.2の場合と同じです。

JShellプラグインのインストール

 現状、JShellのプラグインは標準で提供されていません。プロジェクトprototypes-repl9にて開発が進められています。

 このプラグインをNetBeansにインストールするには、プラグインの設定を変更します。メニューバーの[ツール]-[プラグイン]を選択すると、プラグインダイアログが表示されます。プラグインダイアログには複数のタブがありますが、その中から[設定]を選択します。