冬休みに相応しい内容で何か書けとITpro編集部に言われ、年末年始に自分の人生計画を立てる話はどうかと思いついた。12月末から新年にかけてITpro読者の皆様は次の四通りのいずれかの状況におられるはずだが、どのような場合であっても今後の人生に思いを巡らせるのは意義深いことだと考える。

 仕事を休み、心穏やかに過ごす。大掃除をする。帰省する。旅行に出かける。片付けや移動でそれなりに体を使うが心は穏やかである。夜になれば片付いた室内、実家、ホテルでのんびりし、来年のことをぼんやり思い浮かべる。

 仕事を休むが、心穏やかではない。仕事は無事終えたものの、それ以外の懸案がある。子供が受験勉強をしている。親の体調が今ひとつである。1年間の疲れが出たのか体調が悪い、など。

 仕事を続け、心は落ち着いている。年末年始は書き入れ時だが例年のことで慣れておりさほどの負担ではない。24時間365日業務を続ける仕事に就いているが通常通り、交代しながら働いている、など。

 仕事を続け、心穏やかではない。本来なら年末年始は休みだが仕事で問題が生じたため休みを返上して働いている。ITpro読者の中には情報システムの本稼働や切り替えを年末年始に予定している方がおられるだろう。作業は予定通りに進んでいるとしても実際に動かし、安定稼働させるまで気は抜けない。

「それどころではない」時こそ、人生計画を

 「仕事を休み、心穏やかに過ごす」ことができるなら人生計画を考えてもよいだろう。「仕事を続け、心は落ち着いている」場合も考えようと思えば考えられる。だが、「心穏やかでない」時は無理だ、人生計画どころではない。こう思われたかもしれない。

 だが悩み事を抱えている時こそ、それとは別のことを考えてみてはいかがだろうか。家族のことが心配でたまらないとしても四六時中悩んでいると自分まで参ってしまう。人生計画を立てようとすると当然、家族の心配事も考慮に入れるわけだが、心配事だけを考え込む状態から一時とはいえ離れられる。

 新しい情報システムが無事動くかどうか予断を許さない状況にいる場合はどうか。食事をしていても家に戻っても、そのことが気になる。コンピュータセンターの近くに泊まり込みとなったら頭の中は仕事一色に染まり、仮眠をとる間ですら「うまくいくか」「問題は残っていないか」などと考え続けてしまう。眠れなくなると、いざと言うときに判断を間違いかねない。したがって何らかの気分転換が必要である。