マイナンバー制度では収集・管理を外部委託する企業が目立つ。三井化学は現行業務への影響を最小限に抑えるため、番号収集・管理を外部委託して社内規程や体制の整備を進めた一方で、システム改修はできるだけ後ろ倒しにした。どう対応を進めたのか聞いた。
三井化学は、現行業務への影響を最小限に抑えるため、番号収集・管理を外部委託し、マイナンバーは事務処理の最終段階で帳票に付加する体制を整えた。安全管理措置についても、個人情報とは別にマイナンバー管理規則を作成して定め、グループ各社が参考にできるようにした。2015年5月には実施計画を策定し、6月に具体的作業を開始。現在は詰めのシステム改修を進めている。
コスト試算、最小限で数千万円
三井化学がマイナンバー制度への対応向けて具体的に動き出したのは2014年7月だ(表)。

マイナンバー制度への対応で最も影響が大きい人事部労制グループの古村達也サブグループリーダー兼報酬統括マネージャーが非公式の社内勉強会を立ち上げたのが発端だった(写真1)。マイナンバーに関係しそうな人事や経理、総務・法務部から人づてで人材を集めたという。
非公式な勉強会でまとめた対応ポイントを基に、法令順守やリスク対応を前提に最小限のコストを試算すると、システム対応を中心に数千万円ほど掛かることが見えてきた。2014年11月に社内勉強会が公式プロジェクトとなり、三井化学は外部のコンサルタントを活用してマイナンバーを記載する必要があるものと関連する事務を全て洗い出した。