IT部門の機能を、事業部門との対比において模式化すると、図1のようになる。システムの開発や、保守・運用を行う機能を「ITサプライ」、横断的な役割を「ITマネジメント」と定義しよう。システム子会社を持つ企業においては、ITサプライ機能を全面的に委譲するケースが多い。
ITサプライにおいては、原則としてシステム単位に、開発・保守を行う担当者を決める。システムの規模が大きく、相対する事業部門が多岐にわたるようであれば、担当者は2人以上、4~5人のチームで動くこともある。比較的小規模で類似したシステムが複数あれば、いくつかのシステムを一人で担当することもある。
各担当者は、対象として割り当てられたシステムを理解し、機能追加に対して設計・開発を行う。万が一の場合には、障害対応を行う。法制度の変更などに対応する場合には、一つの大きなプロジェクトが立ち上がり、その中の一環として改修作業を行う。
階層構造として、効率化・安定化を目指す
組織設計にあたっては、各担当者を意味のある“塊”でまとめる。大規模なシステムであれば、そのシステム名称の付いたチーム、例えば「生産管理チーム」「事務システムチーム」などとなるだろう。
営業事務に関連する複数のシステムを担当する場合には、「営業システムチーム」という名前が付くかもしれない。新しいシステム開発を開始する場合には、「次世代○○システム開発チーム」という名称になって、必要なメンバーを集めてチームを立ち上げる。