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追い詰められるIT部門

追い詰められるIT部門[第1回]~複雑化・巨大化が加速するIT資産(上)

桑畑 卓弥、小塚 裕史=ベイカレント・コンサルティング 2015/12/07 日経コンピュータ
出典:『デジタル化を勝ち抜く新たなIT組織のつくり方』第2章
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 デジタルビジネスが勃興しつつある。日本企業にも、ビジネスのデジタル化は大きな経営課題。しかし、中軸的役割を期待されるIT部門は、目の前の業務に忙殺され追い込まれつつある。そこで、IT部門を変革しデジタル化の旗手に脱皮させる処方箋をまとめた書籍を緊急出版した。今回は、その中からIT部門の問題点の現状分析を紹介する。

 IT技術が日進月歩の進化を遂げた結果、各企業における事業戦略の選択肢は格段に増えた。業務プロセスの効率化はもとより、ITを活用することで新規事業やサービスを創出して、成長戦略を実行していくことが可能となった。

 バックオフィスの業務システムを取り巻く環境も進化を続けており、ERP(統合基幹業務システム)などの業務パッケージソフトウエアを「買う」ことから、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型のクラウドサービスにより、業務システムを自社で持たずに「使う」ことが可能な時代になった。業務システムを構築する選択肢が増え、高品質・短納期・低価格を実現できるようになってきた。

IT資産が複雑化する背景

 「増えた選択肢の中から選ぶ」ということを裏返せば、取り扱わなければならない技術が多種多様になったことを意味する。ITマネジメントの視点からは、企業内のIT基盤を標準化しておくことが望ましい。製品のバージョンアップ、既存システムとの接続、障害対応などを考えると、対策を打つ手間が少なくて済む。別の技術が使われている二つの製品を管理するより も、単一の技術のほうがよいに決まっている。技術の進歩を追いかけて自社への対応を検討するにあたっての要員の負荷は軽減される。

 基幹系システムを中心としたシステム構造を、非常に簡単に模式化すると図1のようになる。顧客との接点に当たるチャネルシステムからデータを入力するが、この接点に使われる端末が多様化している。ユーザーが見る画面のデザインについても、これまで以上の創意工夫が必要となる。

図1●複雑化するシステム構成
[画像のクリックで拡大表示]

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