2008年の公開時に大きな話題を呼んだ「うっかりミス」についての特集の3回目を掲載する。

 今回はうっかりミスをなくすための効果的な対策を紹介した部分だ。

 固有名詞、役職などは、日経コンピュータ掲載当時のままで掲載する。


 うっかりミスは、どうすればなくせるのか。IT業界の関係者にとどまらず、ヒューマンエラーの発生メカニズムを研究する元パイロットや心理学者、「失敗学」に詳しい大学教授などにも話を聞いた。専門家がこぞって強調するのは、「人間はミスをするという事実を認めるのが対策の第一歩」ということだ。「気合を入れて臨めばミスは起こらない」と考えるのはご法度である。システム開発・運用現場では、ミスした作業者をしかったり、責任者を処罰したりするケースがある。これも無意味あるいは逆効果だ。

 本誌は専門家の意見を参考に、うっかりミスを減らしたいなら、これだけはやってはいけないという「べからず集」をつくった。べからずは、トラブル発生から原因分析、対策・実行の流れに沿って並べてある(図5)。

図5●うっかりミスを防ぐための「べからず集」
図5●うっかりミスを防ぐための「べからず集」