コストと納期、品質の3ポイントで、システム開発プロジェクトの成否を調査した、日経コンピュータによる2008年調査の結果を再掲する。
7回目は契約についての分析だ。プロジェクトの成否との因果関係は断言できないが、ベンダー依存の傾向が見て取れる。
固有名詞、役職などは当時のままで掲載する。
システム開発プロジェクトを成功に導くには、ベンダーとどのような契約を結んでいるかも大きなカギを握る。ユーザー企業自身でプロジェクトを主導しようと考えているか。それとも、ほとんどをベンダー任せと考えているのか。契約の実態から、ユーザー企業とベンダーとの関係が浮かび上がってくる。
今回の調査では、プロジェクトのフェーズを大きく「要件定義」「システム企画」「システム設計」「開発」「テスト・移行」の5段階に分け、それぞれについてベンダーとの間でどのような契約をしているか聞いた。契約形態は「請負契約」「準委任契約」「派遣契約」「契約していない」の四つから選択する形式を採った。
要件定義で「準委任」は2割に満たない
図1はプロジェクトの工程別にみた契約形態である。いずれの工程においても、多かった契約形態は「請負契約」。「契約していない」「準委任契約」がこれに続く。「派遣契約」は1~2%程度だった。
プロジェクトの上流工程に当たる要件定義とシステム企画をみると、どちらも最も多かったのは請負契約である。それぞれ55.1%、55.2%と過半数を占めた。これに対し、準委任契約は17.5%と15.2%である。