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どんづまりから見上げた空 ~ 我がITサバイバル年代記

「廃棄しかないか」、せっかく作ったシステムを同志と作り直すと決めた話

赤 俊哉(せき としや) 2017/01/05 ITpro

 「これは廃棄しかないか」

 ユーザー企業に転職し、システム部門のリーダーとなった私は、出来上がった全社システムの利用を進めるべく奮闘を続けた(参照『「責任感がないのか」、ユーザーに転職直後に覚えた違和感と“銀の弾丸”に出会った話』)。派遣SE・プログラマー時代とは異なり、「自分たちのシステム」を作るやりがいが感じられるようになった。現場で同志を得、改めて上流設計の重要性を感じる出会いもあった。

 だが、私が入社してすぐ導入にかかわったその全社システムは使っていけばいくほど、構造的な問題を抱えていると判断せざるを得なかった。あれこれと手を入れて何年か運用していったが、最終的には廃棄するしかない、と自ら決断せざるを得なかった。

 ユーザー企業に転職するまで私は下請けの派遣SE・プログラマーとして働いていた。地獄のような厳しい現場で私が作っていたプログラムも、完成してみれば役に立たないシステムになっていたとしたらどうだろう。

 「今まで自分が作ったシステムもこんな目にあっているのかな」。過去を思い出して、やりきれない、悲しい気持ちになった。

カットオーバー直後から使われない

 入社後にカットオーバーしたシステムには「まともに動いていないのではないか」と思わざるを得ない面がいくつもあった。そもそもカットオーバー直後から使われていない機能があり、そのまま放置されていた。

 かと思えば、システムを導入して伝票が自動的に出力されているのに、手書きで起票している部署があった。「業務設計は行われていたのかな」、「新旧の業務を並行させることはあるが、いつまで続けるのだろう」といくつも疑問が沸いてきた。

 システム導入の経緯を知りたくなり、途方にくれるくらい大量の納品物から提案書や要件定義書を探し出し、読んでみた。「全社業務改革」「ペーパーレス」「経営の変革に柔軟に対応可能なシステム」など、夢のようなことが書かれていた。

 それはいい。だがそうした文書を基に作られたシステムは、情報システムが経営をサポートし、さらには経営の強力な武器になる、といった夢を実現できる仕組みになっているとは思えなかった。

 何が原因なのだろう。今まで仕様書を見ながらプログラミングをしたり、仕様書自体を書くことはあったが、直接エンドユーザーと話す機会はほとんどなかった。初めて派遣された生命保険会社で大きなバグを出した時、一緒に仕事をしたことくらいだった(参照:『参照:『「新人なのに経験者」、偽の職歴で売られた話』)。

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