個人でWindows 10を使う場合のアカウントは、大きく分けて「ローカルアカウント」と「Microsoftアカウント」の2種類だ。どちらも1台のPCを複数のユーザーで共用するためのものだが、Windows XP以前から利用できる「ローカルアカウント」は、そのPC の中でしか通用しないユーザーID である。例えば2 台のPC(A、B)に、「Tarou」という同じローカルアカウントを作成し、それぞれのPC にサインインしても、それぞれのPC の壁紙や設定は共有されず、個別に作業する必要がある。

 Microsoft アカウントは、マイクロソフトが提供するさまざまなサービス(Webメールの「Outlook.jp」や、クラウドストレージの「OneDrive」)を利用するためのアカウントだ。複数のPCに対して、同じMicrosoftアカウントでサインインするように設定すれば、メールアカウントや壁紙などの設定は自動的に同期されるなど、Windows 10を便利に使える。

 その反面、Microsoft アカウントのパスワードが漏れると、インターネット経由でメールやOneDrive 内の情報が盗み読まれるなど、被害が大きくなるデメリットもある。平易なパスワードの設定は危険だ。Windows 10を利用するなら、強力なパスワード設定した上で、Microsoft アカウントによるサインインをお勧めする。

 Windows 10を利用するときのアカウントとしては、このほかにActive Directoryのアカウントなどもあるが、企業内での専用の認証インフラが必要である。本書ではActive Directory環境での操作については割愛する。

Microsoftアカウントの場合、ユーザー名はアカウント設定時に登録した名前とメールアドレスが表示される。ローカルアカウントの場合、ユーザー名の下に何も表示されない
Microsoftアカウントの場合、ユーザー名はアカウント設定時に登録した名前とメールアドレスが表示される。ローカルアカウントの場合、ユーザー名の下に何も表示されない
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*掲載した画面は、Windows 10 HomeまたはWindows 10 Proのものです。画面や動作は、2015年7月末に公開された初期の製品版(ビルド10240)、11月上旬に公開されたアップデート版(ビルド10586)、およびその中間で公開されたInsider Preview版のビルドで確認しています。 ハードウエア構成やPCに接続している機器によって、Windowsのエディションやバージョン(ビルド)が同じでも、異なる画面や操作になることがあります。 Windows 10のアップデートにより、画面や操作が変わる、使えていた機能が使えなくなる、あるいは挙動が変更されるなどの可能性があります。