性能を有効活用しているのはIIJ

 最終回の今回は、NTTコムとIIJの両サービスのデータ転送のピーク性能を調べ、どちらがネットワークの性能を有効活用しているのか比較してみよう。

 計測では各TCPセッションから、再送分を含む1秒間に転送されたデータ量の最大値を記録している。これを1秒平均することでネットワークのピーク転送性能を推測できる。

 第1回の図1で紹介したTCP性能は再送による影響を含めて計測している。そのためピーク転送性能のほうが、一般的に高い性能を示す。逆にTCP性能とピーク転送性能の差が少なければ、それだけネットワークの能力を、有効活用していることになる。

 NTTコムのピーク転送性能は、閑散期は4M~6Mビット/秒、繁忙期は1Mビット/秒程度だ(図5)。

●NTTコム「OCNモバイルONE」
●NTTコム「OCNモバイルONE」
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●IIJ「IIJmio」
●IIJ「IIJmio」
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●累積分布関数による比較
●累積分布関数による比較
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図5●ピーク転送性能の比較

 一方のIIJのピーク転送性能は、高い時は8Mビット/秒以上、繁忙期でも2Mビット/秒以上の性能が出ている。ネットワークの能力は、IIJのほうが高いと考えられる。