“眠れないITの現場”で、体調を維持し仕事の生産性を高めるには、睡眠の工夫が必要だ。今回も、ITエンジニアが実践する睡眠の工夫を紹介しよう。「スッキリ起きる」「(日中の)眠気をやり過ごす」という二つの目的別に、具体的な対処法を解説する。

スッキリ起きる 強い光を浴びて目を覚ます

 次はスッキリ起きる工夫である。NTTデータの金子崇之さん(基盤システム事業本部 企画部 事業企画担当 営業企画グループ 課長代理)は朝が苦手だ。4時間半から5時間半といういつもの睡眠時間では不足気味で、「目覚まし時計が鳴っても、二度寝してしまうことがあった」(金子さん)。

 スッキリ起きるために、金子さんが考えたのは、強い光を浴びることだった。「朝日を浴びると眠気がなくなることを経験的に知っていた」(金子さん)。そこで、強い光を浴びる方法を工夫した(図2)。

図2●強い光を浴びてスッキリ目覚める
図2●強い光を浴びてスッキリ目覚める
スッキリ目を覚ますには、強い光を浴びることが必要だ。NTTデータの 金子崇之さんは、自宅の寝室に取り付けた高照度照明機器の光を浴び て起床し、さらに犬の散歩がてら朝日を浴びることを習慣化している
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 金子さんの寝室は、朝日があまり差し込まない。そこで寝室の照明を、強い光を放つ「ASSA」(パナソニック製)に替えた。ASSAはタイマー設定によって、指定時刻から徐々に光が強くなる。この機能を使うことで、明るさによって自然と目が覚めるようになったという。しかも、「まぶしいので二度寝をする気が起こらなくなった」(金子さん)。

 そうして目を覚ますと、外に出て朝日を浴びるために、犬を連れて15分ほどの散歩に出かける。この散歩の間に、眠気がスッキリ消えるという。

睡眠時間を1時間半刻みに調整する

 もう一つ、人の睡眠のメカニズムを利用した工夫を紹介しよう。

 ウルシステムズの植田昌司さん(シニアコンサルタント)が平日に確保できる睡眠時間は、3~5時間。常に不足気味で、「毎朝つらい思いをして起きることが多かった」(植田さん)。