10代の中学・高校生においては、スマートフォンやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によって引き起こされた事柄が社会問題となるケースが出ている。そうした中、学校現場ではスマートフォンやSNSの問題にどう対応しているのだろうか。第1回は、10代の置かれている現状と問題点、教育現場の指導の現状を見ていく。
上がり続ける10代のスマホとLINEの利用率
まずは10代におけるスマートフォンなどのモバイル機器利用率、SNS利用率について見ていこう。
総務省情報通信政策研究所の「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査<概要>」(2015年5月公表、報道資料)によると、10代のモバイル機器の利用率は、スマートフォンは68.6%で対前年比5.3ポイント上昇、タブレットは対前年比11.3ポイント上昇の28.6%と増加傾向にある(図1)。
SNSの利用率についてはLINE、Facebook、Twitterの利用率が増加傾向にある。特にLINEは対前年比で11.1ポイント上昇し77.9%とその勢いは止まらない(図2)。
同調査は、スマートフォン利用者に占めるSNSの利用者の割合にも触れており、スマートフォンとSNSには密接な関係があり、スマートフォンの普及がSNSの利用率を引き上げていると結論付けている。
他の調査もそれを裏付ける。デジタルアーツの「第8回未成年と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査」(2015年7月、プレスリリース)によると、スマートフォンを所有している高校生のLINE利用率は実に9割を超えている。