最終日のディスカッション終了後には視察を実施した。行き先は秋田県農業試験場。秋田空港から程近い場所にあり、県農産物のブランドを確立するために、米、スイカ、枝豆など様々な産品の新品種や栽培技術、周年生産技術、病害虫防除技術を開発している。視察のテーマは「秋田アグリクラウド」だ。就農者の減少や高齢化などの課題に対し、ICTの活用によって省力化、技術共有、新規就農者支援などを目指す取り組みである。

秋田県農業試験場に到着。レクチャ—を受けるため 建屋へ
秋田県農業試験場に到着。レクチャ—を受けるため 建屋へ

 参加者約40人は到着後、まずレクチャーを受けた。試験場では、センサーを利用して気温、水温、湿度、明るさ、二酸化炭素濃度などの栽培環境を計測。データを基に、作物が最も効率的に育つ環境を分析し、そのベストミックスとして秋田の環境に合った「デジタル栽培レシピ」の作成を目指している。レシピが出来れば、初めて生産する作物の栽培方法の指導や新規就農者への教育が、格段に楽になると期待する。

 栽培環境データの監視もデジタル栽培レシピも、クラウドサービスとして提供している。例えば、温度異常を検知すると利用者にメールで通知され、見回りの効率化やタイムリーな対応が可能になるという。