初日は、まず内閣府地方創生推進室の須藤明夫参事官が、地方創生に向けた国の取り組みと自治体への期待について講演。続くディスカッション1では、地方創生でのCIO/情報政策部門の役割とIT活用の方策について議論した。初めに内閣官房IT総合戦略室の市川類参事官が、6月に決定した「地方創生IT利活用促進プラン」について説明した。
国によるシステム提供はあるか
市川氏の講演後にいくつか質問があった。都道府県CIOフォーラム会長を務める秋田県企画振興部の寺尾勇ICT戦略統括監は、小規模な市町村に関して質問。「IT関連人材が不足している市町村が多い。例えば、国でソフトを作って自治体に配るなどの試みで、IT関連コストを大幅に減らせるのではないか」と提案。市川氏は、「いまやクラウドの時代。自治体と同じ数のシステムが必要なわけではない。自治体間のシステム共同利用は進んでいるが、まだまだ足りない。地方のシステムは抜本的に改革できるというのが国の認識だ。ただ国がソフトを配るには、地方との役割分担の整理が必要。国が全部やっていいのかという問題がある」と回答した。
京都府政策企画部の原田智情報政策統括監は、国からの情報提供を強く要望。「新たな制度改正の際に国からシステムを提供する方針を立てて、国民健康保険や農地台帳などで取り組みを進めていると聞く。しかし、都道府県の現場には内容が具体的に降りてこない。例えば国保なら、他の基幹系システムと連携させて複数の部署に横展開しなければならない。ぜひ情報を提供してほしいし、クラウド化やセキュリティ強化を進める際には現場の自治体の意見を聞いてほしい」と訴えた。