例年、ヨーロッパで開催される「LibreOffice Conference」。2010年9月28日にLibreOfficeプロジェクトが始動し、2011年に開催されたパリのカンファレンスを第1回として、2015年で5回目の開催となります。今年の開催地はデンマーク第2の都市オーフス(Aarhus)。9月23日(水)から25日(金)まで開催されました。

 オーフスはデンマークだけでなくヨーロッパを代表する総合大学であるオーフス大学、毎年開かれるアートフェスティバルやオーフス美術館(ARoS Aarhus Kunstmuseum)を有する文化都市です。歴史ある建造物が立ち並ぶ街ではありますが、「ヨーロッパ文化の首都」(European Capital of Culture)を標榜する「Aarhus 2017」というイベントを控え湾岸部では再開発が進んでいます。その象徴的な施設である「西洋で最も美しい図書館」と言われている「Dokk1」が今回の会場でした(写真1)。

写真1●会場のDokk1。図書館とは思えない未来的な外観
写真1●会場のDokk1。図書館とは思えない未来的な外観
(撮影:小笠原 徳彦)
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 ウェルカムトーク、そしてオーフス市の文化・市民サービス担当市議であるRabih Azad-Ahmad氏による基調講演でも主張されていたのは、「オーフスはフリーソフトウエアやオープンネスといった文化の重要性を知っており、ヨーロッパ文化の首都としてこれらの活動を支援する」ということです。コストメリットではない価値をオープンソースに見出し、それを自治体を挙げて支援するという姿勢はヨーロッパ各地に見られます。これは、LibreOfficeコミュニティがヨーロッパで最も活発である理由の一つではあるでしょう。

 今年のカンファレンス参加者は約150名とのことでした。開発色、コミュニティ色が強いこのイベントとしては十分な人数ではないでしょうか。参加していても、2014年に比べて人が多く、また多彩になっているように感じました。