改正法には政令への委任事項が数多い。政令には、個人識別符号、要配慮個人情報の内容などの定義、事業所管大臣への報告・立入権限の委任、個人情報保護団体の認定手続きなども委任されている(表1)。

表1●政令委任事項
表1●政令委任事項
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 「個人識別符号」の内容の政令委任(2条2項)について、委任の範囲が不明確であるという批判がある。「次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるもの」と規定されており、どのような趣旨で委任するかを規定していない。

 他方で例えば、「要配慮個人情報」については、「本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取り扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」(2条3項)とし、委任の趣旨が規定されている。委任趣旨が定められていない「個人識別符号」については、政令制定時に論争になるだろう。

 委員会規則には、第三者提供に係るオプトアウトの実効性を確保するための手続き、いわゆるトレーサビリティ確保のための確認・記録の内容・手続き、匿名加工情報の作成や第三者提に係る手続き、認定個人情報保護団体が作成するガイドライン(個人情報保護指針)に係る手続きなど、実務的には重要な部分が委任されている(表2)。

表2●個人情報保護委員会委任事項
表2●個人情報保護委員会委任事項
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