本特集はマーケティング担当者が陥りがちな悩みに、マーケティングシナリオ設計の第一人者であるNexal代表取締役上島千鶴氏が答える形で、各社がつまづくポイントや解決に向けた糸口を解説する。

 第3回は、医療関係者に対する会員制サイトを運営する企業の相談に答える。各エリアの担当者が病院を訪問するきっかけを作る目的で、顧客の行動履歴データはどのように活用できるかを検討していく。

(ITproマーケティング編集)


  

【今回の相談者】
医薬品メーカー
マーケティング本部
部長:鈴木氏

【相談内容】
 現在、医療関係者に対する会員制サイトを運営しています。このサイトには、学会情報や論文、イベント情報、疾病情報や製品情報などを掲載し、会員の行動履歴に応じて興味や関心がありそうな内容の個別メールを配信しています。これらの行動履歴や反応状況を分かりやすい形に加工した上で、エリア毎の担当MRが確認できる仕組みを導入しています。"置き換え提案を狙っている病院"に対して、MRが訪問できる「きっかけ」を作りたいと考えていますが、何か良い策はありますでしょうか。

千鶴:この会員制サイトの主な目的は何ですか。

鈴木部長:構築した当初はMRが持参するパンフレットや製品資料などをデジタルでも一部見られるように、ということで単なるカタログサイトでしたが、今ではMRがフォローしきれていない顧客とのコミュニケーション接点として、提案機会に繋げることを目的としています。

千鶴:過去実施された施策を拝見すると、Webを活用したマーケティングが進んでいるようですね。

鈴木部長:以前はMRが医師のいる病院に通い詰め、MR個人の裁量で対応していましたが、最近若い医師との最初の接点はオンラインになりつつありますので、Webマーケティングの仮説検証を繰り返しながら10年以上、運営しています。

千鶴:医療関係者向けのサイトは会員登録を必須とされていますが、どのような項目で会員をセグメント分けしてますか。