写真●サカワとカヤックが開発したハイブリッド型電子黒板システム「Kocri(コクリ)」
写真●サカワとカヤックが開発したハイブリッド型電子黒板システム「Kocri(コクリ)」
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 2015年5月20日、本社を愛媛県東温市に構える黒板メーカー、サカワで常務取締役を務める坂和寿忠氏は東京ビッグサイトで開催される「教育ITソリューションEXPO」の会場にいた。

 この日、サカワは新しいコンセプトの電子黒板を初めて世の中に披露した。「Kocri(コクリ)」と名付けられたスマートフォンアプリ。米アップルの「iPhone」や「iPod touch」と同社のセットトップボックス「Apple TV」、プロジェクターを組み合わせ、従来からある黒板に画像や動画などの教材を映し出す仕組みだ(写真)。

 通常の電子黒板では、専用ディスプレイや専用ボードとスタイラスペンを用いるのが一般的。だが、コクリはあえてアナログの黒板との融合を目指した。

 コクリを使えば、黒板上にグリッド線や五線紙、算数の授業で利用する図形を簡単に映し出せる。英単語、漢字、音符、角度などはチョークで書くだけ。ホワイトボードでも対応可能で、その場合はペンで書き込める。

 写真や動画を映し出すことも可能だ。例えば、日本地図のデータを映し出せば、地理の授業に活用できる。

 すべてを電子化するのではなく、デジタルとアナログの長所をうまく融合させたコクリ。アプリの価格は1カ月600円(1年契約で6000円)で、数十万円もかかる既存の電子黒板とは比べものにならない低価格を実現している。