ユーザー企業でいま求められているのは、ITの力を事業に生かす活動をリードできる人物、すなわち「プロフェッショナルITマネジャー」である。
「プロフェッショナル」なITマネジャーとは、ITの目利きをしつつ、ビジネスを見据えながら、何をどういう順番で実現するかを企画し、関係者を巻き込んで、必要なら自分が仕切ってでも企画を実際に実現できる人材を指す。
どうすればプロフェッショナルの道を歩めるのか。ITマネジャーが備えるべき八つの力を紹介する。
プロフェッショナルITマネジャーの条件
目次
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[条件8]推し進める力:社長の一声でシステムの仕様を全面見直し、あなたは怒るべきか
ユーザー企業P社のIT部門に所属するA氏は、Webやスマートフォンで利用可能な営業支援システムの構築プロジェクトでプロジェクトマネジャーを務めている。プロジェクトは佳境に入っていたところ、思わぬ事態が発生した。システムの機能を全面的に見直す必要が生じたのだ。きっかけはP社の社長の発言である。
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[条件7]嗅ぎ分ける力:開発現場が荒れている、あなたならどうする?
リスクマネジメントに関しては多くの教科書が存在するが、教科書どおりにリスクを事前に網羅的に洗い出せたとしても、ブロジェクトがうまく進むとは限らない。現場にヒアリングした際に、現場のリーダーは「頑張れば挽回できる」と考え、隠す意図は無くても「問題なし」と報告する場合もある。
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[条件6]巻き込む力:ユーザーを動かすA氏と動かせないB氏は何が違うのか
製造業のIT部門リーダーを務めるB氏は、自社生産システムの比較的大きな改修案件を進めている。営業部門にも影響が出ることが明らかになり、事の経緯とお願いしたい作業内容を整理した上で、営業部門の実務担当者とその上席者に説明し、協力を仰いだ。ところが「そんなことはIT部門で対応しろ」と一蹴されてしまった…
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[条件5]付き合う力:パートナーは2、3社がベスト、候補を常に探す
情報システムの構築から運用・保守まで、全ての作業をIT部門が担うのは非常に困難だ。実装は基本的に外部にお任せ、要件定義や基本設計などはIT部門が主導するものの外部の支援を仰ぐ、といったケースは珍しくない。ただ、外部に依存しすぎると、期待するITの効果が得られなくなる恐れが出てくる。
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[条件4]仕切る力:要件会議を「夢見る座談会」にしないコツ
プロフェッショナルITマネジャーは、様々な局面で仕切りが求められる。最たるものが業務要件定義だろう。「業務」と付く以上、本来はユーザー側が主導して決めるべきものだ。しかし実際には、ユーザー部門による要件の追加や変更、ちゃぶ台返しが珍しくない。この状況をいかにうまく仕切って、合意に導いていくか。
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[条件3]捌く力:いつまでたってもユーザー部門の信頼を得られない理由
この連載では、ITの力を事業に生かす活動をリードする「プロフェッショナルITマネジャー」が満たすべき条件を八つの力として紹介している。今回は三つ目の「捌(さば)く力」を取り上げる。いつまでたってもユーザー部門の信頼を得られないというIT部門のマネジャーは、この力を身に付ける必要がある。
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[条件2]突破する力:経営陣から実行承認を勝ち取れるか?
この連載では、ITの力を事業に生かす活動をリードする「プロフェッショナルITマネジャー」が満たすべき条件を八つの力として紹介している。今回は二つ目の「突破する力」を取り上げる。IT企画を経営陣に理解してもらい、承認してもらう際に、この力が必要となる。
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[条件1]掘り起こす力:ユーザーと同じ土俵で会話できるか?
ユーザー企業でいま求められているのは、ITの力を事業に生かす活動をリードできる「プロフェッショナルITマネジャー」である。この連載では、プロフェッショナルITマネジャーが満たすべき条件を八つの力として紹介している。今回取り上げるのは、経営陣や利用部門などのユーザーの声から真の要件を「掘り起こす力」…
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ITマネジャーが「プロ」を目指さないと会社が不幸になる
昨今の技術の進歩や、事業環境の急激な変化に対応するために、ITの力は一層欠かせなくなりつつある。そうした状況では、ITを事業に生かすための活動をITマネジャーがリードできないと、会社全体が不幸になると言わざるを得ない。今こそ、全てのITマネジャーは「プロフェッショナル」になることを期待されている。
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