Microsoftのクラウドサービス「Microsoft Azure」は様々な機能をサービスとして提供している。2015年8月現在、公開しているサービスは50を超える(プレビュー公開を含む)。

 Microsoftが2015年2月に正式リリースしたのが、機械学習をクラウド上で実行可能にする「Azure Machine Learning」である。

 クラウドに大量のデータを貯め込むことが可能になる、というのがシステムをクラウド環境で稼働させるメリットの一つだ。だが、この大量データを活用するのは簡単ではない。データ分析の素人にとって、データ活用につながる分析を実践するのはハードルが高いからだ。

 Azure Machine Learningは、機械学習を生かしたデータ分析を容易にするサービスである。ITエンジニアが少し勉強すれば、誰でも扱えるようになる。クラウド上のビッグデータ活用を夢物語に終わらせるのではなく、現実的なソリューションとする道具といっても過言ではないだろう。

 機械学習を利用する際は、分析によってどのような結果を求めているのかに応じて、最適なアルゴリズムを選ぶ必要がある。Azure Machine Learningは「Clustering(クラスタリング)」「Regression(回帰)」「Classification(分類)」という三つのカテゴリーごとに様々なアルゴリズムを用意しており、そこから選べばよい。

実用例は多岐にわたる

 Azure Machine Learningは、どのような分野に応用できるのか。Azure Machine Learningは機械学習を手軽に実行するためのサービスであり、一般的な機械学習を用いたソリューションであれば実装できる。例えば、次のようなものだ。

  • メールのスパム検知
  • クレジットカードの不正検知
  • 特定疾病の予測診断
  • 売上予測
  • 顔認識
  • 故障検知予測
  • 顧客離れ予測
  • 商品のレコメンデーション

 これらはすべてAzure Machine Learningで実装が可能だ。