富士フイルムは、ビッグデータ時代の大容量データ保存手段として、ここにきて注目されている磁気テープを使用した「アーカイブソリューション」を中心に出展する(写真1)。

 ブースのコンセプトは、「そのデータが新しい価値を生む」。デジタルデータだけではなく、文書や紙焼きの写真、マイクロフィルムや映像フィルムなどのアナログデータも含めて、増大するデータをアーカイブする方法と、新たな価値を生み出す情報資産として活用するためのソリューションを紹介する。

写真1●富士フイルムのブースイメージ。グループ各社のソリューションもあわせて紹介する
写真1●富士フイルムのブースイメージ。グループ各社のソリューションもあわせて紹介する
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 具体的には、ブース全体をアーカイブソリューションをはじめ、「ドキュメントソリューション」「イメージングソリューション」「グラフィックソリューション」「メディアソリューション」の5つのカテゴリーに分けて展示する。

 ドキュメントソリューションでは、富士ゼロックスの文書電子化サービスによる業務効率化を提案し、イメージングソリューションでは富士フイルムイメージングシステムのクラウド型のファイル送受信サービス「SECURE DELIVER」や、クラウド型のファイル管理・共有サービスの「IMAGE WORKS」などを紹介。富士フイルムグループ全体で、情報資産の安全な保管・管理とその活用までを提案する。

 富士フイルム 記録メディア事業部 営業部 アーカイブビジネスグループ マネージャーの田中幸彦氏は「ビッグデータ時代に、増え続けるデータをどうアーカイブし活用するかは、企業にとっては重要な問題だ。それに対する具体的な解決策を、当社のブースで見つけていただきたい」と語る。

世界最大容量1巻220TBのLTO磁気テープ

 アーカイブソリューションでは、同社が2015年4月に発表した独自技術であるバリウムフェライト(BaFe)磁性体を採用した大容量磁気テープを展示する。このテープは、1巻あたり220TBという世界最大容量を誇る。しかも、適切な保管環境であれば、30年以上の長期データ保管が可能という。

 田中氏は「最新規格LTO準拠の磁気テープは、SAS型ハードディスクの10倍、SATA型の100倍といわれるほどの高い信頼性がある。磁気テープの持つ実力、そのテープを使ってデータを保管するソリューションをブースで体感していただきたい」と強調する。

 ビッグデータ時代到来とあって、他社も様々なデータ活用ソリューションを提案している。それらとの差異化はどうするのか。記録メディア事業部 営業部 アーカイブビジネスグループの大月英明氏は、「当社はアナログもデジタルも含め、全てのデータを情報資産と捉えている。情報資産が倍々に増えていく時代には、その活用だけではなく、その後のアーカイブこそが大切になる。そこを提案できるのが当社の強味」と語る。

 大月氏によれば、「企業における情報資産は3つの領域に分けて考えられる」という。常に活用する『ホット』、ときどき活用する『ウォーム』、アクセス頻度が低く必要なときに参照する程度の『コールド』の3領域だ。多くの企業では、このコールド領域のデータが70%以上を占めているという。

 「コールドの情報資産を社内のストレージに置きっぱなしにするのをやめて、アーカイブすることで、長期間安全に保管・管理できるようになる。ブースでは、そのソリューションとして『ディターニティ アーカイブ』など関連する製品を紹介し、企業におけるBCPを視野に入れて提案する」(大月氏)。