業務ネットワークにおけるルーターは、構内ネットワーク(LAN)をインターネットやWANサービスと接続するときに使われる。そこで2つのジャンルに分けてアンケートを行った。1つは、他のネットワークとつなぐ役目となる「ブロードバンドルーター/アクセスルーター/VPNルーター」(以下、ルーター)と、もう1つは、構内ネットワークやデータセンターを守るセキュリティ機器である「UTMやWebゲートウエイ」である(写真2-1)。

写真2-1●代表的なルーターやUTM
写真2-1●代表的なルーターやUTM
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ルーターは2年連続でヤマハが首位

 ルーターの1位は、得票率33.4%のヤマハである(図2-1)。このジャンルで唯一、30%を超えた。同社のルーター製品は、中小規模の企業ユーザーに人気が高い。昨年の調査でもルーター部門で得票率27.2%の1位を獲得しており、2年連続の栄冠となった。

図2-1●ルーター/ブロードバンドルーターの総合順位
図2-1●ルーター/ブロードバンドルーターの総合順位
ヤマハが2位に10ポイント以上差を付けて1位になった。
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 日経NETWORKの取材でも同社のルーター製品を使って自前で拠点間のインターネットVPN接続を実現するといった用途に使うユーザーによく出会う。2011年からはL2スイッチの出荷を始めるなどカバー範囲を広げており、今回の調査でアクセススイッチの得票率10%以上を得た。

 2位は、21.3%を得たシスコシステムズ。シスコルーターの利用者をさらに分析すると、その61.5%が同社のL3スイッチを利用していると答えていた。シスコ製品の利用者は、スイッチだけでなくルーターなどネットワーク内の機器をシスコで統一する傾向が強いとみられる。

 3位は、18.0%を得たバッファロー。同社は、企業向けVPNルーターのほかに、ホームネットワーク向けブロードバンドルーターを多数出荷する。少人数の拠点などでは、無線LAN APを搭載した同ブロードバンドルーターを採用するケースも多く、これが上位に入ってきた理由とみられる。