2015年8月、暗号通貨ビットコインの取引所を運営していたMTGOX社長のマルク・カルプレス容疑者が逮捕された。同社破綻から1年半が経過し、事件の真相に一歩近づいた格好だ。MTGOX事件によって、ビットコインの認知度は悪い意味で一気に高まった。「ビットコインは何か怪しい」という印象を持つ人々は少なくない。
改めてMTGOX事件に迫ると同時に、“MTGOX以降”のビットコイン取引所の動きを追う。
2015年8月、暗号通貨ビットコインの取引所を運営していたMTGOX社長のマルク・カルプレス容疑者が逮捕された。同社破綻から1年半が経過し、事件の真相に一歩近づいた格好だ。MTGOX事件によって、ビットコインの認知度は悪い意味で一気に高まった。「ビットコインは何か怪しい」という印象を持つ人々は少なくない。
改めてMTGOX事件に迫ると同時に、“MTGOX以降”のビットコイン取引所の動きを追う。
日本価値記録事業者協会代表理事 兼 bitFlyer代表取締役 加納裕三氏
MTGOX事件によって、逆風が吹いた日本のビットコイン業界。業界団体である日本価値記録事業者協会代表理事(JADA)の代表理事で、取引所などを運営するbitFlyerの代表取締役でもある加納裕三氏は、「1社でも同じようなことを起こせば、業界全体が終わってしまう」と強い危機感を持ち、対策に当たる。
「ビットコインの信頼性と取引所の信頼性は全くの別物」。ビットコインの有識者や関係者の見解は、おおむね一致する。一方で、「一連のMTGOX事件で、ビットコイン全体が危険だと考える人々は決して少なくないだろう」(木内上級セキュリティコンサルタント)。しかし、「何だか怪しい」とビットコインそのものを退け…
かつて世界最大のビットコイン取引所だった「Mt.Gox(マウントゴックス)」の運営会社、MTGOX社長のマルク・カルプレス容疑者が2015年8月21日、再逮捕された。会社名義の銀行口座から約11億円を独断で出金、そのうちの3億2000万円について着服した疑いだ。