写真1●ITpro EXPO 10月1日のセミナーで講演する国立天文台 天文データセンターの大江 将史助教
写真1●ITpro EXPO 10月1日のセミナーで講演する国立天文台 天文データセンターの大江 将史助教

 2015年8月、世界のボーイスカウト・ガールスカウトが一同に集う4年に1度の祭典「世界スカウトジャンボリー(WSJ)」が山口県で開かれた。152の国や地域から3万人を超える青少年が集った大イベントの会場に、世界最大クラスの大規模な屋外無線LANが敷設されていたのをご存じだろうか?

 会場となった「きらら浜」の総面積は約2.5平方キロメートル。東京ドーム53個分で、モナコ公国(約2平方キロメートル)より広い。このほぼ全域を、120台の無線LANアクセスポイントでカバーし、集まった子供たちや引率者、運営スタッフ、報道関係者など合計3万3000人が、持ち込んだスマートフォン(スマホ)やタブレットを、快適に使えるようにした。子供たちはスマホを使い、Skypeなどのビデオ電話で故郷の両親と連絡を取ったりしていたそうだ。

写真2●会場内に30本立てた高さ2メートルのポールのてっぺんにアクセスポイントを設置し、広い範囲をカバーした
写真2●会場内に30本立てた高さ2メートルのポールのてっぺんにアクセスポイントを設置し、広い範囲をカバーした

 この巨大屋外無線LANを設計・構築したのが、ITpro EXPO 2日目の10月1日午後1時から行われる特別セミナーで登壇する国立天文台 天文データセンターの大江 将史助教である。

 会場内の30カ所に約2メートルのポールを立て、アンテナとアクセスポイントを設置して広い範囲をカバーできるようにした。あえてカバー範囲を絞った指向性アンテナを使ったり、障害物となる屋外トイレの中にアクセスポイントを設置したりするなどして広大なエリアをくまなく覆い、全域で快適な無線LANを実現した。

 大江氏は無線LAN構築のスペシャリストで、WSJ以外にも、学会やイベント会場などで15年以上の無線LAN構築経験を有する。快適な無線LANの構築にはアクセスポイントやアンテナの設置以外にも、給電や有線LANなどさまざまな技術要素がある。見えない電波をまるで目に見えるかのように扱い、快適な無線LAN環境を実現する、大江氏のさまざまなノウハウが今回の講演では披露される予定だ。最新の無線LAN技術である「IEEE 802.11ac Wave2」への期待や使いこなし術にも触れられる予定。無線LANの構築技術に興味のある方はぜひ、会場で直接、大江氏の話に耳を傾けてほしい。

図1●東京ドーム53個分の広大な会場を、屋内外合計120基のアクセスポイントでカバーした
図1●東京ドーム53個分の広大な会場を、屋内外合計120基のアクセスポイントでカバーした

開催:2015年10月1日(木)13:00~13:40
会場:東京ビッグサイト、会議棟セミナールーム2(入場無料/事前登録可能)

★ITpro EXPO 2015 セミナー情報
世界最大クラスの野外無線LAN構築経験から見たギガビット無線LANの課題