前回に続いて、ITプロフェッショナルが日常的に抱えている疲労への対処法を紹介します。まず、腰痛についてみてみましょう。

腰痛を軽くする

 座って仕事をするデスクワーカーにとって職業病ともいえる「腰痛」。働く世代の約3割が腰痛持ちだというデータがありますが、パソコン仕事中心の方ではその割合はもっと高いのではないかと思います。IT企業を訪問して施術していますと、若い世代で腰痛を訴える方が増えているのも気になる傾向です。

良い姿勢を保つことより、「動く」ことが効果的

 第2回で述べたように、最近では「ストレス」が腰痛の大きな原因とされています。ただ、やはり日頃の作業姿勢や運動習慣なども重要な問題です。

 腰痛の直接的な原因は、腰周辺の筋肉が硬く張ってしまうことです。では、なぜ硬くなってしまうのか。最も問題にすべきは、「長時間座ったままである」ことです。

 どれだけ良い椅子に、良い姿勢で座っていたとしても、長時間座りっぱなしで仕事をしていたら腰の筋肉はどうしても硬く張ってきてしまいます。「良い姿勢を維持しよう」という発想よりも、「こまめに動こう」という意識を持つ方が腰痛を予防できる可能性が高いといえます。その上で、高機能な椅子を選んだり、クッションを使ったりして、座った姿勢をサポートすればさらに効果があるでしょう。

 オフィス内でこまめに動くには、「席を立って歩く」「お尻の位置を変える」「ストレッチをする」などは簡単にできると思います。30分ほど固定して作業したら、腰・お尻・太ももはかなり圧迫された状態になっていますので、こうした動きを入れて一度筋肉を解放しましょう。

腰は3つの動きしかできない

 腰は身体の中心柱のようなもので、基本的に(1)前後(2)左右(3)回転という単純な動きしかしていません。この3つの動きを交えたストレッチをするだけで、腰の硬さは驚くほどほぐれます。

(1)前後:まず息を大きく吐きながら、背中を丸めて前に倒します。次に椅子の中央に座り、バンザイをするように両手を上げて息を大きく吐きながら上半身を後ろにそらせます。