整体師として多くのITプロフェッショナルを施術し、長時間のパソコン作業が引き起こす身体の症状に皆さんが日々悩まされていることを肌で感じています。その中でも特に危険な症状を、五つ挙げてみましょう。

とにかく首や肩が凝る

 首と肩の凝りは、デスクワークをする人の職業病ともいえるもの。パソコンの画面を見るとき、首が肩よりだいぶ前に出てはいませんか? キーボード操作をする際は、両肩が内側に巻くように入り過ぎていませんか?

 この状態は、いわゆる猫背姿勢です。パソコン作業時にそうなりやすいことから最近は「IT猫背」などと呼ばれています。この長時間の猫背姿勢が首や肩の凝りを招きます。

 ただ、姿勢のいい状態でパソコン作業はなかなか続けにくいですよね。猫背になってきたら、ストレッチや体操などで伸ばして、また正しい姿勢に戻せばいいのです。正しい姿勢とは、「背筋を伸ばし」「胸を張り」「アゴを少し引き」「首の後ろを伸ばす」状態。身体で感覚を覚えておくとよいでしょう。

 では、IT猫背を続けることはなぜ身体に良くないのでしょうか。首や肩、背中の緊張状態が続くことになり、血流の悪化・重度の肩凝りにつながるのです。ITプロフェッショナルの方を施術していますと、頑固な凝りが、骨なのか凝りなのか区別がつかないくらい硬くなっている人もよく見かけます。

 特に目立った特徴が、首の斜め前方の筋肉(胸鎖乳突筋)と真後ろの筋肉(頭半棘筋)、肩甲骨の内側上部(肩甲挙筋)が固く凝っていることです。以下にまとめます。

  • 胸鎖乳突筋……頭痛・目の疲れに関係。画面の凝視が続き疲労すると硬くなる
  • 頭半棘筋……首の前傾姿勢に関係。首を鶴のように曲げて画面を見過ぎると凝る
  • 肩甲挙筋……肩甲骨の動きに関連。デスクワークが続くと自然に肩が上がってくる
  •  これらの部分に凝りや痛みを感じたら、ストレッチやマッサージでケアすることをお勧めします。