写真1●「自治体情報セキュリティ対策検討チーム」の中間報告を発表する座長の佐々木良一東京電機大学未来科学部教授
写真1●「自治体情報セキュリティ対策検討チーム」の中間報告を発表する座長の佐々木良一東京電機大学未来科学部教授
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 総務省は、日本年金機構や長野県上田市など公的機関で相次いだサイバー攻撃事件を受け、「自治体情報セキュリティ対策検討チーム」を立ち上げた。2015年7月9日に第1回会合を開催。8月12日に中間報告を公表した(写真1、関連記事:マイナンバー見据え専門人材組織化で自治体のサイバー攻撃対策支援、総務省)。

 チームの構成員はセキュリティの専門家や弁護士、自治体の情報システム担当者7人。このうち自治体代表の3人は、IT活用先進自治体として知られる京都府や神奈川県藤沢市の担当者に加え、上田市総務部広報情報課の佐野茂樹係長も名を連ねる。

 この連載で触れてきたように、佐野係長は、外部機関からのサイバー攻撃に関する通知を受けてから、緊急対応の最前線に立ち続けてきた([1]を参照)。「サイバー攻撃を受けて迷惑を掛けている状況で、検討チームの構成員はとても引き受けられないと固辞した。だが、猿渡知之大臣官房審議官から『当事者の声を対策に反映したい』と熱心に依頼され、引き受けることにした」(佐野係長)と明かす。

写真2●総務省の猿渡知之大臣官房審議官(地方創生・地方情報セキュリティ担当)
写真2●総務省の猿渡知之大臣官房審議官(地方創生・地方情報セキュリティ担当)
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 総務省側で検討チームの幹事を務める猿渡審議官(地方創生・地方情報セキュリティ担当、写真2)には、東京から離れた自治体の声を反映させる狙いがあったようだ。

 猿渡審議官は「セキュリティベンダーは東京一極集中になっている。地方ではセキュリティ専門人材の支援が得にくい現状があり、対策を講じる必要がある」と話す。