もはや単独のPCでデータを取り扱う時代ではなくなってきた。クラウドにデータを保存して、会社や自宅、外出先と、どこからでも同じファイルにアクセスできる、そんな環境を構築しておくのは常識の時代になりつつある。
5回シリーズの本特集では、定番ソフトExcelを例にデータをクラウドに保存して、どこからでも、どんな端末からでもアクセスできる環境を整える。さらに、複数人でExcelファイルを管理するクラウド時代に合わせた効果的な仕事の進め方についても解説したい。
クラウドにはどんな利点があるのか?
そもそも「クラウド(雲)」とは、クラウドコンピューティングの略で、インターネットを通じて各種サービスを利用するコンピューティング環境を指す。コンピュータで利用する各種データやサービスが、ネット上といういわばはるか「雲」の中にあることから名付けられた名称だ。
クラウドの中で最も定番となるのがストレージサービスだろう。これはインターネット上にある、プライベートなデータ保存領域だと考えればよい。最近ではクラウドストレージとも呼ぶ。このクラウドストレージを利用して、仕事の効率を高めるのが、いまやビジネスの基本スタイルとして定着してきている。その利点は大きく4つある(図1)。