図●RAAMSのシステム開発における協業体制
図●RAAMSのシステム開発における協業体制
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 米ABTパワーマネジメント(以下、ABT)は、IoTを使った新たなリモート資産管理サービス(RAAMS)を始めた(関連記事:バッテリー交換数を90%削減した遠隔保守サービス)。同社は、ビジネスインテリジェンスのコンサルティングサービスを手掛ける米マリナー、分析エンジンとルールエンジンを一つのシステムとして提供する米スパークリング・ロジックの2社と協業し、サービスを提供するためのシステムを開発した()。システム開発の過程でABTはバッテリー保守作業のノウハウを提供し、マリナーはSI業務、スパークリング・ロジックはプロトタイプの導入支援を主に担当した。

 マリナーは、主にエネルギー、金融、製造、流通分野の企業向けに、IoT(Internet of Things)サービスの実現を支援してきたSIサービス企業である。RAAMSのシステム構築プロジェクトでは、次の五つの作業を担った。

(1)データ収集アーキテクチャーの構築
(2)収集データの変換
(3)ルールエンジンを使った意思決定システムの開発、および保守ノウハウのルールとしての実装
(4)事象発生を知らせる警報システムの組み込み
(5)ビジネスルールの改善に役立てるためのレポート設計

 RAAMSシステムで肝となるのが、ルールエンジンを使った意思決定システムだ。同システムでは、スパークリング・ロジックの「SMARTS」を採用。SMARTSは、既存ルールをCSV(カンマ区切り)ファイルでインポートして、条件と結果・アクションを規定したドキュメントを作成する。このドキュメントの条件と結果・アクションをドラッグ&ドロップすれば、ルールとして設定できる。ルールの細かい調整ができるように、レポート機能やビジネス分析機能(シミュレーションやヒートマップ分析など)を評価した。