写真1●北日本放送 営業本部 編成業務局 編成業務部次長の寺西徹氏
写真1●北日本放送 営業本部 編成業務局 編成業務部次長の寺西徹氏
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 「シンクライアントの台数が増えるにつれてパフォーマンスが低下し、“遅い”というユーザーのクレームが増えてきた」。北日本放送 営業本部 編成業務局 編成業務部次長の寺西徹氏は仮想デスクトップ(VDI)環境の高速化に乗り出した理由を説明する(写真1)。

 北日本放送は2011年から社内でVDIを利用している。事業部門向けの40台から始めたシンクライアントは約170台にまで増え、「報道外回りの記者、各部門の共有PCを除き、全てシンクライアントを使っている」(寺西氏)。社員はシンクライアントからVDI環境にアクセスし、MS Officeや業務システムを利用する。Webブラウザー経由で使うイントラやグループウエア、人事・給与システムといったバックオフィス系システムに加え、「映像を取り扱ったり、ラジオの録音視聴があったりと、VDIにとっては性能面で厳しいコンテンツも少なくない」(同氏)。

 VDIが遅いと言われる場面は二つあった。一つは、ウイルス対策ソフトによるスキャン処理だ。「VDI環境では処理が昼休み中に終わらないので、実行するタイミングを変えた」(寺西氏)。シンクライアントからのログオン処理が集中する「ログオンストーム」にも悩まされた。ログオン処理に時間が掛かるので、シンクライアントを退社時にシャットダウンしないという運用に代えた。

 いずれの策も一定の効果はあったが、対処法に過ぎず、抜本的な性能向上対策が求められた。寺西氏は、ストレージの増強ではなくソフトウエアによるスピードアップを選択した。