どこの芸能事務所にも所属しない無名の新人ながら、発売したCDが「オリコン」ランキングのトップ10に入ったアーティストがいる。名前は「kain(カイン)」。ピアノの弾き語りが得意な、20歳の男性だ。

 テレビには出ない。派手な広告も打たない。しかしひとたびライブをすれば、10万人の「観客」が集まる。満員の東京ドームの倍近い動員力だ。

 彼の活躍の場は「TwitCasting(ツイキャス)」。スマートフォンを使って撮影した動画を生中継するサービスだ。スマホのカメラで撮影した映像を、不特定多数の利用者に配信できる。視聴者もスマホで動画を閲覧する。ベンチャー企業のモイが運営する。

写真1●「ツイキャス」の画面
写真1●「ツイキャス」の画面
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 2010年2月にサービスを始め、現在の利用登録者は1000万人。毎月1回でも利用する月間アクティブユーザー数は600万人程度とみられる(写真1)。利用者は5割超が24歳以下の若年層で、女性が6割を占める。