写真●JTBグループ本社執行役員事業創造部長の鈴木雅己氏(左)とペイパル東京支店カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏(右)
写真●JTBグループ本社執行役員事業創造部長の鈴木雅己氏(左)とペイパル東京支店カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏(右)
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 ほとんどの報道陣が驚いたに違いない。

 米ペイパルと国内大手旅行代理店であるジェイティービー(JTB)が2015年7月23日、共同で開催した記者会見での出来事だ。JTB本社執行役員事業創造部長の鈴木雅己氏に次いで登壇したペイパル東京支店カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏は冒頭の挨拶だけでなく、スピーチの全てを日本語でやってのけた(写真)。2日前の再上場に関する記者会見では終始、英語で通したオーストラリア出身のワイズ氏の日本市場に対する本気度を示すには十分な演出だった。

 この日、ペイパルはJTBとの提携を発表。JTBが開始した電子チケットサービス「PassMe!」でペイパルの決済サービスを導入することに成功した(関連記事:JTBとペイパルがタッグ、チケットサービスで情報入力の手間削減)。交渉から5カ月というスピードで実現した今回の提携および機能実装は、米イーベイから分社化して再出発を図るペイパルにとって日本市場開拓のこの上ない狼煙(のろし)になったに違いない。

 ペイパルの日本市場における取り組みを振り返れば、そこにあるのは苦汁を飲まされ続けた歴史だ。