韓国の最大手オンライン旅行代理店「インターパークツアー」によると、2015年5~7月の間にもっと売れた航空券は日本行きのチケットだった。インターパークツアーの利用者が夏休みに選択した海外旅行先は、4年連続「東京」が1位。大阪も、2014年夏5位だったのが2015年夏は2位になった。その他日本の都市では、釜山からフェリーでも行けるほど近い福岡が、2015年夏初めて10位以内にランクイン、8位になった。

 オフラインの老舗旅行代理店HANAツアーでは、この夏大阪行きのツアー商品がバカ売れした。金曜出発日曜帰国の2泊3日ツアーの場合、ホテルを確保するのが難しいほど客が殺到しているという。HANAツアーは客を分散するため、北海道や広島、四国のツアーを案内し、「東京・大阪以外の都市にも、ヨドバシカメラやマツモトキヨシはある。東京・大阪の風景はソウルと変わらないが、地方都市の雰囲気は異国らしい。買い物もいくらでも楽しめる」と宣伝している。

「爆買い旅行」が大人気

 現在韓国から東京、大阪、沖縄行きは格安航空(LCC)も豊富でチケットの供給が増えているが、ホテルが足りないのが問題である。日本に行く航空券はあるのに、ビジネスホテルはどこも満室で、1泊3万円はする高級ホテルしか空室がなく、日本旅行をあきらめるしかなかったという話がSNSでちらほら登場するようになった。

 実は今、韓国では円安を利用して日本に買い物に行く「爆買い旅行」が大人気だ。中国人の買いっぷりには負けるが、大阪の心斎橋や東京の新宿など繁華街は、両手にいっぱい買い物袋を持った韓国人で溢れている。日本観光庁の調べによると、2015年4~6月の間、訪日外国人が日本で使ったお金は8887億円と史上最高額を更新した。日本でたくさん消費したのは、やはり中国人が1位、2位が台湾人で3位は韓国人だった。

 韓国人にとって日本は、なんといっても飛行機で2時間程度と近く気軽に行けることと、円安で韓国より安く買い物ができることが魅力だ。週末の1泊2日旅行や、日帰り大阪買い物旅行も人気がある。駅やショッピングセンター、デパートなど、どこに行っても韓国語で案内が書いてあり、韓国人の店員も多いので言葉にも不自由しない。それに韓国にはない部屋に露天風呂がある旅館やディズニーランド、ユニバーサルスタジオ、キャラクターショップなども楽しい。