長期目標を持ち、着実に成果を上げている中国の宇宙開発だが、最初からそうだったわけではない。

 数字で見てみよう。1970年4月に最初の人工衛星「東方紅1号」を打ち上げてからの、中国の衛星打ち上げ回数とその成功率のリストだ。成功率は5年ごとに計算してみた。

表1●中国の衛星打ち上げ回数とその成功率
期間打ち上げ回数失敗回数成功率
1970〜19744175%
1975〜197930100%
1980〜19845180%
1985〜198990100%
1990〜199416287.50%
1995〜199923386.90%
2000〜2004240100%
2005〜200938197.40%
2010〜201482297.50%

 1960〜70年代に技術のルーツを持つ現行の長征のようなロケットでは、成功率は95%がひとつの基準となる(最新のロケットでは成功率98%、さらにそれ以上を狙って設計する)。中国のロケットは1990年代にはあまり成功率が高くなかったが、その後一気に信頼性を向上させ、しかも打ち上げ機数も飛躍的に増やしてきたことが分かる。

 そこでもう少し詳しく、1991年から2000年までを見てみよう。

表2●1991年から2000年における中国の衛星打ち上げ回数とその成功率
打ち上げ回数失敗回数成功率
1991110%
19924175%
199311100%
199450100%
19953166.7%
19964250%
199760100%
199860100%
199940100%
200050100%