Windows 10で注目を浴びているのが、一つのアプリであらゆる機器に対応可能な「ユニバーサルアプリ」だ(写真1)。Windows 10はPC、タブレット、スマートフォンに加えて、画面サイズが約4インチから約80インチまでの機器や、IoT(モノのインターネット)関連機器まで幅広くサポートする。
マイクロソフトはWindows 10の投入後、「2~3年以内にWindows 10が動作するデバイスを10億台にする」と意気込む(写真2)。市場の大きさを売りものにして開発者を呼び込み、アプリの増加を促す戦略だ。
マイクロソフトは、ユニバーサルアプリを使えば、例えばノートPCで実施していた作業を中断した後、移動中にスマホで同じアプリを開くと、スマホの画面に合わせた表示で中断した作業を継続できる、とメリットを主張する。
マイクロソフトは米国時間2015年4月29日から5月1日に、米サンフランシスコで開催した開発者向けイベントの「Build 2015」で、デスクトップPC向けアプリやWebアプリに加え、iOSやAndroid向けアプリをユニバーサルアプリとして利用可能にすると発表した。
人気の高いiOSやAndroid向けのアプリをユニバーサルアプリとして取り込むことで、Windows 10の普及を促す考えだ。
移植の手間や互換性は未知数
ただし、iOSやAndroid向けアプリをユニバーサルアプリにするためには、移植作業が必要になる。現状では、移植の手間やどれだけ互換性が確保されるかは未知数だ。
マイクロソフトはJavaやC++言語で構築したAndroidアプリは、「若干コードを書き換えるだけで容易に移植できる」と説明している。iOSについては、Objective-Cで開発したアプリは対応可能という。新言語のSwiftに関しては言及していない。