大規模クラウド事業者のサービスで実績を積んできた高機能なクラウド構築・管理ソフトを、一般企業が社内で活用する取り組みが始まった。そのソフトがOSSとして開発されている「OpenStack」だ。

 OpenStackの導入支援ビジネスを手掛けるNTTデータによると、複数の事業部門を抱える大企業などの案件が出ているほか、複数の地方自治体が計画する共同クラウドセンターでOpenStackを採用する計画があるという。「ITベンダーなどの支援を利用することで、一般企業でも十分に導入できる環境が整ってきた」(NTTデータ システム方式技術事業部第三技術統括部第三技術担当の三浦広志課長)。

 ネット企業や通信事業者、ITベンダーでは先行して導入が進んでいる。ヤフーが2014年から自社のWebサービス群を支えるクラウド基盤をOpenStackに移行させており、現時点で約5000台の物理サーバーを運用している。富士通は2015年から5年をかけて国内外の企業システムを全面的にOpenStackに移行させる計画を発表した。移行対象のサーバーは1万3000台に達する。