近年、外国人採用を積極的に進めている富士通システムズ・イースト。2015年の新入社員73人のうち、約2割を外国人が占めている。研修は数人のグループに分かれて実施するが、ほぼ全てのグループに外国人が1人ずつ入る割合だ(写真1、写真2)。

写真1●プログラミング研修の様子
写真1●プログラミング研修の様子
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写真2●処理の流れをフローチャートで記述
写真2●処理の流れをフローチャートで記述
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 こうした環境は、日本人の新入社員にも良い影響を与えている。「外国人の新入社員には、積極的に前に出て行くタイプが多い。これが刺激になって、日本人も積極性を発揮している」(同社 ビジネスマネジメント本部 人事統括部 人材開発部 猿田雅子氏)。

 異国文化についても敏感になる。同社の研修では、日替わりで新入社員がスピーチをする時間を設けている。外国人新入社員が自国の風土や文化について紹介することで、異国への理解が進む。

英語/日本語の対照表を用意

写真3●ルビが付けられたテキスト
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写真3●ルビが付けられたテキスト

 一方で、多様な人材がいるからこそ新たな配慮も必要になってくる。その一つが、言語について。外国人新入社員は「日本語で仕事ができること」を前提に採用されているため、基本的には日本語で問題なくやり取りできる。だが漢字を多く含む文章は、読みこなすのに苦労する場合もある。そこでテキストなど、重要な文章にはルビを付けている(写真3)。

 プログラミング関連の用語については、日本語と英語の対照表を用意する(写真4)。英語の専門用語を日本語化することで、英語を母国語とする人には習得のハードルが上がってしまうことがあるからだ。例えばJavaの「メソッド」。「method」と書かれていればスムーズに理解できる人も、日本語で表記されているために一から意味を調べなければならない、といったことが起こる。「そこでつまずいてしまうのはもったいない」(猿田氏)ため、重要な用語については対照表で確認できるようにした。

写真4●Javaのプログラミング研修では、英語と日本語の対照表を用意
写真4●Javaのプログラミング研修では、英語と日本語の対照表を用意
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