「今のシステムにこういう機能はありますか」「作業をする際に、こんなミスは発生しませんか」――。NECネクサソリューションズの研修室では、顧客ヒアリングの真っ最中。新入社員が、やや緊張した面持ちで質問を繰り出す。対する顧客役を務めるのは、同社のベテラン社員だ。

 これは、3カ月にわたる新入社員研修の締めくくりとして行われる「システム開発体験」の一幕。提案から要件定義、実装、テストまでの一連の工程を体験する。新入社員のうち、システムエンジニア(SE)職に就く予定のメンバーが5人ずつのグループに分かれて挑戦する(写真)。

写真●顧客役の先輩社員(中央)を相手に、ヒアリングを行う
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写真●顧客役の先輩社員(中央)を相手に、ヒアリングを行う
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写真●顧客役の先輩社員(中央)を相手に、ヒアリングを行う

 開発するのは、架空の食品会社の業務システム。現状のシステム構成や、顧客が直面している課題などが新入社員にあらかじめ提示されている。これを基にグループで質問項目をまとめ、ヒアリングに臨む。

顧客役の先輩社員からは厳しい答えも

 事前に準備を重ねた成果か、どのグループも次々と質問を出していく。業務フローに沿って現行システムの動きを確認しながら、個々の問題点を洗い出していくといった形だ。ただ、顧客から厳しい答えを返されるシーンも所々で発生する。例えば「この業務でシステム化できる部分はどこか」と質問して、「それは御社の方で検討し、提案していただきたい」などと返される、といった具合だ。