2015年度、IT企業も多くの新入社員を迎えた。数カ月にわたる研修を経て、夏頃から職場に配属される新入社員も多い。

 2015年度の新入社員の多くは、高校1年生だった2008年に国内で初めてiPhoneが発売された、いわば“スマホネイティブ”世代(関連記事:パソコンが使えない?!“スマホネイティブ”がやってくる)。実際、IT企業の新入社員にはどんな人材が多いのか。企業はどんな人材像を求めて、どのような新入社員教育を実施しているのか。

 ここでは5回にわたって、IT企業の2015年度新入社員研修の様子をレポートする。取り上げるのは、システムエンジニア(SE)を多く擁する4社。NECネクサソリューションズ、NTTデータ、日立ソリューションズ、富士通システムズ・イーストである。第1回で、各社のモラル教育などから浮かび上がる、今どきの若者の傾向をまとめる。第2回以降で、各企業の研修の狙いや取り組みの詳細を紹介する。

情報の“シェア”が当たり前の世代

 「一昔前と比べて、コミュニケーション能力が高い」。2015年度の新入社員の特徴として、複数の会社がまず挙げたのがこのポイントだ。「コミュニケーションを上手に取れる人が多い。プレゼンテーション能力も上がっている」(日立ソリューションズの新入社員教育を手掛ける、日立インフォメーションアカデミー システムソリューション第二部 第一G 野田洋平主任)。「グループディスカッションも積極的に意見を出し合ってスムーズに進む」(NECネクサソリューションズ 人事総務部 藤田典広グループマネージャー)。

 IT機器やネットサービスも積極的に活用する。「社内SNSなども抵抗なく、スムーズに使いこなしている」(日立インフォメーションアカデミー ビジネス研修部 山口久美子技師)。