米サンフランシスコの大通りが「ポケモンGO」のプレーヤーで埋め尽くされた――(写真1)。2016年7月20日(米国時間)に開催された「ポケモンGOクロール」には30歳前後の「アラサー」プレーヤーが多数集まり、スマホ片手に街を練り歩いた。

写真1●フェリービルディング周辺を行進するプレーヤー
写真1●フェリービルディング周辺を行進するプレーヤー
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 ポケモンGOクロールは、ポケモン好きの一般プレーヤーが「Facebook」で呼びかけて開催されたイベントだ。開発元の米Nianticや任天堂などは関与していない。プレーヤーはサンフランシスコの二つの観光スポットのいずれかに集まり、そこからみんなでポケモンGOをしながら街を散策(クロール)する。

 ポケモンGOにはユーザー同士が直接対戦する「バトル」もなければ、ポケモンを交換する手段も無い。だからプレーヤーは皆ただ歩き回り、道で出会うポケモンを集め、名所や店舗に設定された「ポケストップ」でアイテムを手に入れている。ただそれだけのイベントで、他には何も発生しない。

 そんな内容のイベントにもかかわらず、Facebookのページでは9000人以上が「参加」を表明し、実際に当日は記者が確認しただけでも1000人を超える人々が集まった。正に現在の米国における「ポケモンGOブーム」を象徴する光景が展開されたと言えるだろう。記者も実際に5キロメートル以上を徒歩で「クロール」したので、写真を交えながら当日の模様をレポートしよう。

1000人を優に越えるプレ-ヤーが参加

 記者が行ってみたのは、集合場所の一つでサンフランシスコの観光名所「フェリービルディング」に近い「ピア3」という波止場。クロール開始時間よりも30分早い午後6時には、数百人以上のプレーヤーが集まっていた(写真2)。もう一つの集合場所である「ミッション・ドロレス・パーク」にも、報道によれば数百人が集まっていた模様で、1000人を優に超えるプレーヤーがイベントに参加したことになる。

写真2●海辺の「ピア3」に集まったプレーヤー
写真2●海辺の「ピア3」に集まったプレーヤー
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 クロール開始時間の午後6時30分。主催者の女性が「ポケモンGOクロールを始めます」と宣言すると、周囲は大きな歓声に包まれた。群衆の中にはポケモンのアニメ主題歌を合唱する男性達も。プレーヤーが集まるお祭りといった印象だ。

 プレーヤーがクロールする行列は、なかなか圧巻だった(写真3)。人気ポケモン「ピカチュウ」の着ぐるみを身にまとった参加者など、お祭り気分の行列が街を行進していく。

写真3●フェリービルディング前の大通りを渡るプレーヤー
写真3●フェリービルディング前の大通りを渡るプレーヤー
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 ピア3を出発した行列は、サンフランシスコの目抜き通りである「マーケットストリート」は西に進む(写真4)。行進の行く手は「ミッション地区」にあるいくつかのバーやレストランだ。ポケモンGOをやりながらみんなで街を練り歩いて、最後に一杯やろうというのがこのイベントの唯一の目的だ。

写真4●マーケットストリートを行進するプレーヤー
写真4●マーケットストリートを行進するプレーヤー
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 行列の周囲には、警察の姿も頻繁に見かけた(写真5)。ポケモンGOクロールの話題は数日前から、地元のテレビ局や新聞などで報じられていたので、警戒に当たっていたのだ。

写真5●プレーヤーを見守る警察車両
写真5●プレーヤーを見守る警察車両
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